聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

風邪に似た症状の病気

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画像出典:全国保険協会


過日、妻がある会合から帰って、急にこんな症状を訴えました。

・ 背中が痛い(左脇腹から背中にかけて痛みがある)

・ 腹も痛い(シクシク痛い。嘔吐の前触れの感がある)

そして、居間の長マットに横になっておりました。

わたしが、気になったのは背中の痛みでした。ネットでで調べると、急性の「膵炎」の症状によく似ていました。そこで、診療時間外でしたが、近くの大きな病院に電話を入れ、診察を打診しました。

 

電話口で聞かれた最初のことばは、

『熱はありませんか?』

でした。聞く理由は唯一つ、新型コロナウィルスの疑いのある無しの判断の一つだからです。そこで、

『熱はありません。コロナには無縁です』

と答えました。

『それでは、お越しください』

 

初診でしたので、通常より時間がかかりましたが、いろいろな検査を行い最後に、妻は出てきて

『膵炎ではなかった』と。

では、なんの病気だったかは、いくら聞いてもはっきり答えないのです。医者にも聞いていないようですが、薬は処方してもらい、調剤薬局で貰って帰りました。彼女がお腹の調子が悪いというようなことを口に出すのは、5年に一度くらいのことですので、ちょっと心配はしていたのですが。

 

その日の夜には、「少し良くなり」次の朝には「殆ど良くなり」その日の夕には「ほぼ元通り」となりました。察するに、寝冷えだったのではと推測しています。クーラーを駆けて寝ておりましたが、暑がりの彼女は、布団を蹴飛ばして、トトロみたいなお腹を出していましたので。

 

こういう話を出来るのも、単なる従来のありがちな、病気というほどのことではなかったからです。これが、もし本当に「膵炎」だったら、面倒なことになったでしょう。

 

 

 さて、今回の参照は、風邪だと思っていたが、違う病気だという場合には何がある?です。

よく家族や知人に

『咳がでる。鼻水もでる。熱がある』

と訴え、

『風邪かな?』

『それ、風邪や!』

と誰かが断言的に答えると、

『はい、医師法違反で逮捕されます。医者以外の人が診断を下すと、同法の違反であります』

などと笑いを取ったりします。しかし、違反は本当ですが、実害はほぼありませんから。

 

 

かぜだと思ったのに-かぜに似た別の病気には何がある?

MedhicalNotes 

https://medicalnote.jp/contents/160223-019-KM

かぜと症状が似ており、鑑別しなければならない他の病気には、アレルギー性鼻炎やインフルエンザ、急性細菌性副鼻腔炎、細菌性扁桃腺炎、急性喉頭蓋炎、百日咳そして肺炎などがあげられます。これらはかぜの症状と一部似ているものもあるので、間違えることはありえます。

 

このほか、かぜのような症状だと感じやすい、予想だにしなかった重篤な病気が隠れていることもあります。実際の例をいくつか紹介しましょう。

 

例えば、軽い咳の症状があり、少し呼吸が苦しいと訴えていた70代の男性がかかっていた病気は、心不全でした。また、だるさと微熱が長引くので病院に行った20代男性が、「急性肝炎」と診断されたという例もあります。

 

他にも、熱が出たので病院へ行った40代の女性が実は腎盂腎炎」だったということもありました。のどのあたりが痛いのでかぜだと思ったという60代の女性は、病院で心筋梗塞であったという診断を受けました。

 

どれも怖い病気と思って心配になりますが、丁寧に“3症状チェック“をしてみるとどれも3症状はそろってはおらず、風邪ではないことに気がつくことは医療者からは実はそれほど困難ではありません。

 

このような大きな病気とかぜを患者側で区別できない理由には、やはりかぜの定義が曖昧であるという背景があります。これは医療者に対してもいえることです。かぜの定義が曖昧だと、患者側がかぜを疑って受診し、そのように伝えた場合にかぜ以外の病気を見逃してしまう可能性があるのです。

 

ですから、記事1「かぜの定義とは?他の病気と見分けるために。」から繰り返し述べてきたように、「自然によくなる上気道のウイルス感染」というかぜの定義を知っておくことが大切なのです。

 (引用ここまで。中抜きして記載していますが、記事の趣旨を曲げるものではありません)

 

 単なる風邪であれば、薬を飲まなくて自然と治るようです。問題なのは、風邪に似た別の病気だった場合で、これがあるから、一応病院に行った方がいいでしょうね。