聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

「沖の鳥島」が岩ではない理由

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画像出典:共同通信社

 沖の鳥島は上記画像のように環礁(かんしょう)の一部から小さな岩(領土の一部です)が湖面から突き出た島であり、日本の領土です。この岩の島を崩落を防ぐために日本政府は大規模な護岸工事を行いました。護岸の範囲の方が、岩より何倍も大きく、保全の熱意が伝わります。資源は現在のところ、漁業資源のみ確認されています。

 

 

■ 沖の鳥島が岩ではない理由

沖ノ鳥島は、国際法上でもちゃんとした島です。

干潮時には、東京ドーム100個分超の面積が露出します。写真などでは、なぜか満潮時のものばかりが写された画像ばかりが、出回っていますが、満潮時には、一部でも島の一部が海面から露出していれば、島と認められることになっています。領海は43万平方キロにもなります。排他的経済水域は405万平方キロにもなります。

 

また、沖ノ鳥島の海岸線は、干潮時の海岸線を基準にすればよいことにもなっています。したがって、この島の領海はここからの広さで国際登録されています。

 

ただ、一部の露出している岩の部分(島の一部)が、これまで風化により縮小しており、日本政府は保全処置をとったものが、下記の画像となります。

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画像出典:日経新聞

 


■ 中国の主張

中国は沖ノ鳥島は「島ではなく、ただの岩だ」と主張しています。韓国も同意見です。

しかし、満潮時に出ている部分がたとえ岩であっても、干潮時を基準に考える国際法上から言えば全体として島の一部であることに違いはありません。

 

 

■ 中国の南沙諸島の埋め立て

中国は南沙諸島の埋め立てを行い、ここを軍事基地に転用しています。南沙諸島では干潮時に出る岩ですら一つもありません。周辺国から非難を受けながら、厚顔無人に使用を続けています。明らかに国際法上の違法行為です。

 

中国が、沖の鳥島を「ただの岩」だと主張するなら、その前に自らの所業を改めてからするべきでしょう。

 

 

■ 黄海(こうかい)の蘇岩礁(そがんしょう)は領土か?

 韓国と中国の間にある海のことを、黄海と呼びます。黄河(こうが)から運ばれる黄土(おうど)により黄濁している部分があることから黄海(=yellow sea)と呼ばれています。フランス人地図製作者の命名です。

 

韓国は、黄海とは呼ばず、西海(ソヘ)と古くから呼んでいますが、世界的には黄海と認知されています。

 

この海上の国境は中国と韓国の中間線にあるはずですが、李承晩ラインを韓国が海上に設定して、中国漁船を拿捕(だほ)するような事が度々あり、悶着(もんちゃく)が絶えません。しかも、その中間線と両国が主張するあたりに蘇岩礁や可居礁と呼ばれる海に埋没している岩の所在を巡って領有権の争いがあります。

 

この蘇岩礁や可居礁も干潮時でも水面下5m近くにあります。

 

 

両国はこれを、自国の領土だと主張しあっているのです。まったく、両国には開いた口が塞がらないというものです。