今年の甲子園での夏の高校野球は例年にない「2020年甲子園高校野球交流試合」という形であっけなく終わってしまいました。
例年のこの時期には、野球好きの人でなくても、地元からの選出高校が出場するとなると応援したくなったり、熱くなったりするものです。その出場校がどんな学校かも、殆ど知らない場合であっても。そういう人達には、今年の高校野球は、物足りなくて残念だっただろうと思います。
わたしは、野球がそれ程好きではありません。しかし、反対に友人の熱の入れようは、尋常ではありません。彼の応援チームが貶(けな)されたりすると、ムキになって反論し、かつ激怒。そこまで、熱くなれることが、何か羨ましくもあります。
■ 野球にマウスピース
そんな今年の高校野球の交流試合を見て、
『え、マウスピースしてる?』
と二度見ならぬ何度見をしてしまいました。ボクシングの時に選手がはめているのを見ることが多い、あれです。
見たあの試合。何という名の出場校であったかは、まるで覚えていませんが、ヒットを打って塁に出たランナーが、ガッツポーズと同時に大きく口を開け、「雄たけび」らしいものを上げている時のことでした。彼の日焼けした顔から覗いた白い歯が格別に印象的だったのです。
最初は、陽に焼けた赤銅色の顔とのコントラストで歯の白さが目立ったのであろう、と思っていました。
『しかし、それにしては白すぎるなあ』
『あれは、きっとマウスピースをしてるじゃない?』
と子。
『あ、なるほど』
合点がいきました。
■ 知らべてみれば
そこで、調べてみれば2018年の甲子園でもマウスピースは使用されていたんですね。しかも、それが相当話題に上っていたようです。まったく知りませんでした。
マウスピースの着用が認められたのは2010年と思いのほかに古い話で、規定では、「白または透明」であればよいのだそうです。
■ 元巨人の王選手のことば
王貞治氏が何かのインタビューでこんなことを言っていたのを覚えています。
『ボールがバットに当たって振り切る時には、自然と歯を食いしばります。それだから、歯がボロボロになるんです』
と。
彼のスイングを見ていると、あまりのスムースさにそのような力が入っているとはとても思えませんでしたが、実はそうでもなかったのですね。
そういえば、王氏が液体疲労回復剤のコマーシャルに出ていた時、スイング時の顔がクローズアップされることがありました。確かにあの時の顔は、どう見ても歯を食いしばっていましたね。今頃になって、思い出しました。
■ マウスピースをつける理由
マウスピースをつける理由は、幾つかあります。
① 歯の保護 食いしばることで、歯が欠けたり、すり減ったりするのを防ぐ。
② 口腔内の保護 激しいプレーで舌や唇などを傷つけるのを保護。
③ 体の傾きの補正 投手などにみられる歯のかみ合わせ不良による、体の芯のぶれの補正。
などがあるそうです。これは、もっと、普及していい話ですね。恐ろしいほどのわたしの妻の寝ている時の歯ぎしり用もありますかね?