どんなものに投資して来たか ②マンション
前回の図面をパソコン上で描く、CAD(キャド)ソフトを人より早く取り入れて描けるようになったことは、自分自身への先行投資でいわば、人的先行投資であったと言えます。図面の手描きが人より著しく下手であることが、わたしをCADソフトを使いこなすしか設計の道がない、背中を押した結果でした。
その成果は、パソコンやプロッターという、当時の月収を軽く超えるものにも先行投資があったものの、収入も格段に増えました。
■ マンションへの投資
今回のマンション投資というのは、何もマンションを購入して賃貸に出す、というマンション賃貸経営のことではありません。わたしが住むマンションを購入したのです。これは、不動産投資だたいえます。
■ 賃貸か持ち家か
マンションを自宅として購入することと、同じ建物の中に賃貸物件として出ているものを借りるのとどちらが得か?誰しもがこの問いに立ち止まって考えたことでしょう。
マンションの家賃が3Dkを借りると京都市の交通の便利の良い場所では、月額で16万を下回ることはないでしょう。それが、築30年程度の建物であってもです。その上、諸費用が少なくとも3万円はかかります。さらには、車を持つと駐車場代も2.5万円程度もかかります。
賃貸として借りるか、持ち家として購入するか。わたしは悩みました。おそらく、わたしの生きている間では、賃貸の方が安いということに、本などで参考にすると、結論付で来ましたが、わたしの子供の時代を合わせて考えれば、持ち家が良かろうと思いました。
■ 中古マンションを購入
わたしは、ある電鉄の主要駅の一つに徒歩12分と比較的近い位置にあった、中古マンションを購入することにしました。価格は1,200万円とわたしの低収入時代からすると、かなりの高額でした。
頭金である2割に当たる240万円は食うや食わずの生活の成果として都合出来たのですが、諸費用に100万円は必要であったため、売主に50万円値引きを掛け合いました。
■ 修正申告
渋りながらも、何とか割り引いてくれましたが、あと50万の見込みは立ちません。仲介業者に相談すると、税務署に行って修正申告をして、年収を実際より多めにすれば借りられる金額も増えるというのです。これをしても、自分の返済が増えるだけではありますが。
早速、税務署に修正申告を行いました。
税務署員は、
『住宅を購入されるのですね』
と見透かした質問をしてきました。わたしは、ズバリと読まれて返す返事がありませんでした。
『追加で税金が発生しますので、納めてください』
と、快諾してくれました。今ではそのような不正は許されませんが、その頃はごく一般的に行われていたのでした。
■ 支払いは辛かった
月々の支払いは8万円程度でした、年2回のボーナス期にその2倍ずつ、計12倍を支払うこととなりました。それ以外の月々の支払いは、管理費、共益費、修繕費積み立て費、光熱費、水道代などが加わります。
総合すると、支払いはボーナス期を除けば、月々12万円近くになりました。
25年ローンだと完済までに買値の倍額を支払う計算でありました。従って、出来るだけ早くに一部返済をこまめに行い、完済を目指すしかありません。
賃貸でも、家賃の外には管理費等は、持ち家者と同じようなお金はかかります。修繕積立金は賃貸者が払うのは本来あり得ない事ではありますが、賃貸契約に書かれているなら、支払うこととなります。交渉の余地はあります。
■ 6年で返済
わたしは凡そこのマンションに10年住みました。途中から収入が増えたので、貯金はせず、高金利のローン返済を目指しました。凡そ7年を過ぎたころには完済できましたが、貯金はゼロでした。
読者の中にも、住宅ローンを組んでいる人がいるでしょうが、若いうちなら貯金などは一定金額あれば、一部返済をされることを勧めます。
わたしは、このマンションにこれから先も住み続けようと考えていましたが、ある転機に会い、新築一戸建てを買うこととなりました。次回は、その話とします。