ネットで見つけた、女性に受ける若い男性のヘアースタイルのベスト6までだけ取り上げました。この人気にとしているのは、あくまで個人および編集者の感想かなと思います。この髪型を、常時マネキンのように維持できるなら、まあ長い髪も良しとしましょう。多分に顔の良し悪しも同時判断していると思いますから、誰でも似合うという訳ではないのではないでしょうか。
さて、今の若い男性の多くに見かけるヘアースタイルは、わたしのような昭和生まれの人間には、「ボサボサ頭」にしか見えませんが、世間はこれらを総じて「ナチュラルヘアー」と呼ぶようです。
わたしなど、毛が少なくなって来た僻(ひが)みも手伝って、あの頭が好きになれません。その上、アゴ髭やら口ひげ、もしくは両方を若い人が生やしているのを見ると、どうしてもかっこいいとは思えず「むさ苦しい」と感じてしまいます。
若い人に言わせれば、
『何いってんだ。このオヤジよ。これの良さがわからんかい?』
ということになるのでしょうか。若い人の反発があるのは、お許しください。
どんな強風であっても、目の上にかぶさるようなことがなく、耳がきれいに出ていて、量が梳(す)かれているヘアスタイルであれば、「ナチュラヘアー」も勿論いいと思うのですよ。要するに、手入れの行き届いている植木のようであれば。
更に言えば、百歩譲って頭はそれでいいにしても、口髭(くちひげ)や顎鬚(あごひげ)を若い人が伸ばしているのは、いただけません。これらの髭は、頭の毛が少なくなって、ほぼツンドラ状態である人以上の人が伸ばして似合うものだと固く思っているからです。
■ わたしの若い頃のヘアスタイル
かくいう私も、今の若い人のヘアースタイルにどうのこうのと言える資格がないのかも知れません。
わたしの20歳代のヘアスタイルは、サベージ風(野蛮人風)でした。着衣が片方の方にだけ掛かった動物の毛皮をまとい、頭は茫々、髭は伸び放題をイメージされるかも知れませんが、そこまでは行きません。
要するに頭がボサボサでした。相当見苦しいものだったと今に思います。
全く手入れが出来ていませんでした。何しろ極度の「金欠(きんけつ)」でしたから。明日食べるものにも事欠く有様です。半年に一度、盆と正月以外には床屋に行ったことがありませんでした。
たとえば盆に床屋に行くとしますと、こんな風でした。
床屋:いらっしゃい。(わたしの頭に視線釘付け)
床屋:えーと、どないさせてもらいまひょ?
わたし:すんません。短こう切ってください。
床屋:へい。どの程度に?
わたし:うん。とにかく短目で。
床屋:そうでっか。スポーツ刈りでいいかな(つぶやき)。じゃあわたしの裁量で切らしもらいまひょ。
わたし:はあ。よろしく
床屋:えーと、この頭どこで分けているのですか?右ですか左ですか?
わたし:(少し考えてから)左ですがどうでもいいです。
床屋:判りました。
そのあとは、バリカンで下刈り。そしてハサミでバサバサと髪が落ちる音、視線下に膨大な量の切られた髪。そばから、店主のおかみさんが、箒(ほうき)でかき集める。洗髪、髭剃りが完了。バタバタおタオルや掛物を払う音。
床屋:こんな風になりました。はあ、短くなりました。スポーツ刈り風ですわ。
わたし:いやあ。お疲れです。(また、半年後かあ)
おカネを支払い店を出る。急に疲れがでる。というパターンでしたね。
まあ、娘など今の若い男性の頭や髭について、わたしの意見をいうと、
『ええやん。別に』
と、取合いません。妻も
『ええやん。可愛い』
『・・・』
全く賛同が得られませんが、昭和の時代にもヒッピー族や音楽グループに長髪はあって、それに違和感を持たなかった私ですから、今の若い人のヘアースタイルが好きになれないのは、たぶん歳のせいかも知れません。