自分が選んだ物しか籠に入れない妻
妻子と食品の買い物にスーパーへ行くことはしばしばである。
妻は、食品売り場の隅から隅までを流すように見て見ないと気が済まない質(た)ち。一方わたしは、必要な物だけ買えばさっさと家に帰りたいので、妻の買い物には辟易する。が、急かすと、1日機嫌が悪いので、じっと我慢している。
妻の買い物は、安い物を最優先したものなので、籠の中を見ても夜の献立が想像できるようなものは、入っていないのが我家では極一般的である。それで、スーパーの中では、「本日のおつとめ」とか「お買い得品」などの黄色い札に赤文字を頼りに歩く。
実際に値札の通りに安いかは、わたしには分からない。妻は、どこそこの店の安売りの時の方がもっと安い、など言うから、常時使うものは価格を記憶しているようだ。
■ 安売り品
野菜や果物などが大盛に積まれている売場では、わたしも時々ではあるけれども、
『これが良いのじゃあないか?』
などと言いながら選び取ってカートの中の買い物籠に入れることがある。
カートを押している妻はその時は、わたしの顔を立ててか何も言わないで、チラッと確認するだけである。そして、次の品物の売り場へ移動する。
わたしは、自分がその商品を選んだことで満足してその場を離れる。
すると妻は、わたしが選んだ商品売り場に引き返して、再び商品を吟味する。そして、ほぼ確実に妻が選んだ商品と交換する。
レジ近くになってわたしがカートの中の買い物かごを見た時、わたしの選んだ商品はなく、同じ品の違う姿かたちの商品が入っている。妻は、詫びれる訳でもなく、選別の指摘をする訳でもない。要するに自分の選び方にしか信を置かないのだ。
何度見た光景だろう、、、