聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

子が去った後の夫婦

画像出典:DAIM

娘が結婚して家を出てからは、妻との会話はめっきりと少なくなった。妻は元々女性としては無口な方ではある。それも話すひとによるかだけかもしれないが。というのも、わたしの趣味に彼女は無関心だし、彼女のそれにもわたしは惹かれるものはない。会話の糸口がないのだ。

 

妻が無口である事は厭ではない。一緒にいる間、のべつ幕なしに話されても、恐らく半分と頭に入らない。聞き流すだけもすごくわたしは疲れるから。

 

それはこんな風になるだろう。

どこそこのだれだれが、どうしたとかこうしたとかを述べたのちに、

『どう思う?』

などと尋ねられたら、殆ど返答に窮する。

『え、何が』

と聞き返すしかないだろう。そうなっては相手も怒り出すことは請け合いだ。よく右の耳から入って左の耳から抜け出たなどというが、そんなことはない。

わたしの場合元々入らない。耳の入り口に重要な言葉以外を跳ねのけるような機能があると思っている。

 

話がそれたが、妻は無口だが言うべきことはちゃんと言うタイプである。と、本当は言いたいけれど、それが違うのだ。わたしにちゃんと言って貰わないと行けない事も、自分の裡にしまって置くタイプだから、いざとなった時には

『その話聞いていないけど』

とわたしが言うと、言った記憶が無いのか

『言わなかった?実はそういうことで、、、』

などと事の間際になって報告されることも少ないくない。

 

『何で、そんなに大切な事を今頃になって、、、』

と返すが、妻は悪びれた様子もない。腹立たしいが、怒るには遅すぎるしそのきっかけも、あっさりと詫びられると、不完全燃焼の気持ちを抑え込むしかない。

 

今後妻とどれ程に生きて行くことになるのだろう。

出来るだけいい距離が取れて生きていけたらいいのだが。